オンコロジー以外へのコンパニオン診断の拡大

今日認可されているコンパニオン診断(CDx)および補完的診断の多くは、 オンコロジーにおける個別化医療の取り組みに対応しています。これは、さまざまな種類の癌に影響を及ぼす遺伝経路について、研究者の知識がより充実しつつあることを示すものです。こうした理解により、バイオロジーに関するこれらの知識を、腫瘍の遺伝子構造に基づいて特定の疾病を明確に標的とする治療へと転換できる可能性が高まります。そして、多くの患者様のアウトカムが大幅に向上しています。

しかし、他の病状に関する生物学的知識と適切な技術的進歩を、オンコロジー以外への CDx の拡大に活用することは可能でしょうか。臨床開発において全化合物の約 50% は有効性が十分でないために認可されないことを考えると、この比率を低下させ、医薬品開発の効率を高めるアプローチとして CDx は有望であると言えるかもしれません。CDx が重要な役割を果たすかもしれない今後の発展が見込める臨床分野としては、免疫、希少疾病、アルツハイマー病などの神経変性疾患が挙げられます。 続きを読む

糖尿病性心不全のメカニズムを探る

糖尿病は心不全 (HF) を併発することが多く、2 型糖尿病 (T2D) の患者様の最大 15% 糖尿病性心筋症 が心不全を抱えています。しかし、糖尿病と心臓の関係は単純ではありません。糖尿病は冠動脈疾患の重大なリスク要因で、心筋虚血や心筋梗塞を起こして心不全を招くことがかねてから知られています。ただ、糖尿病が心筋に直接どのような影響を与えているのかはそれほど明らかになっていません。

糖尿病と直接関係があって冠動脈アテローム性硬化によるものではない非虚血性心筋症の存在をめぐっては、長年議論がなされてきました。最近の EMPAREG-OUTCOME 研究で、ナトリウム-グルコース共輸送体-2 (SGLT-2) 阻害剤エンパグリフロジン (Empagliflozin) の服用と、心不全入院の 35%1 低減が関連付けられたこともあり(理由は未確認)、その議論は再び熱を帯びています。
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変わりゆく SEND の要件について知っておくべき 5 つのポイント

FDA が承認申請に義務付けた SEND (非臨床データ交換のための標準)データセットの導入が始まって一年を迎えようという今、新たな一連の要件へと関心が移りつつあります。ここでは最近の通達や発効日についてなど、今後の変更への事前の対策にも役立つキーポイントを 5 つまとめてご紹介します。 続きを読む

治験概要ドメインで FDA 申請をスピードアップ

試験データを標準化するうえで不可欠な治験概要(TS:Trial Summary)ドメインですが、 FDA は2016年7月、試験データ技術的適合ガイド (Study Data Technical Conformance Guide) の 3.1 版を発行し、申請の際に研究開始日を特定する TS ドメインを含めるよう指示しました。治験においては、最初に被験者から出されたインフォームドコンセントの日付が研究開始日、非臨床研究の場合は研究に着手した日(プロトコルの最終決定日)が研究開始日となります。この記事では研究開始日の重要性を取り上げ、進行中あるいはこれまでの研究における申請を成功させるためのアドバイスを提供します。

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血糖降下剤と心不全 (HF):最近の研究の考察

この10年間、2 型糖尿病 (T2D) 治療薬の研究は急速に拡大し、 血糖降下剤と心不全 (HF):最近の研究の考察治験では循環器 (CV) 評価が盛り込まれるようになりました。この動きは、規制ガイダンスで最低でも CV に対する安全性を実証することが義務付けらたことに端を発しています。治験に携わる医師らも、糖尿病治療薬が心不全 (HF) やアテローム硬化性血管のアウトカムに与える影響について関心を持っています。

私はこのほど、コーヴァンスの Jonathan Plehn 医師と共同でウェビナー糖尿心臓:心不全に注目を制作し、そのなかで血糖降下療法の心不全への影響を考察しながら、臨床転帰データの全体的な概要を解説しました。

心不全への影響という観点から血糖コントロールの高低を分析した治験1は、ほんの一握りしかありません。その一つの ACCORD では、血糖コントロールが強ければリスクが高まるという結果が出ました(OR 1.23、95% CI 0.97-1.57)。反対に UKPDS、ADVANCE、VADT の各治験では望ましい影響が見られましたが、臨床的な関連性は実証されておらず、統計上の十分な数値も得られていません。こうしたデータの全体に対してメタ分析を行ったところ、比較的古い T2D 治療法で糖代謝調節を行っても心不全に与える影響は(プラスとマイナスどちらも)ないことが分かりました。ここからは、治療薬ごとに詳しく見ていきます。 続きを読む

意義のある仕事:一人の力

治験の支援に取り組むコーヴァンスの従業員は、医療の前進・向上に ソーシャルメディア_LinkedIn1200x627_意義のある仕事携わっていることを認識しています。けれども、時としてそれはずっと身近なこともあります。

Joshua はこう語ります。「麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘(MMRV)の新製剤の試験をされていたお客様が、小児集団に対する最終製品の安全性確保を求めていました。」 その時、フェーズ IV の試験は順調に進んでいましたが、臨床開発モニター (CRA) が必要だったのです。Joshua は、試験に関わって経験を積めると大いに期待を膨らませました。  続きを読む

糖尿病性心不全の疫学を探る

2型糖尿病 (T2D) と心不全 (HF) はどちらも増加する一方で、今や「蔓延」の域に達しようとしています。心不全 コーヴァンス これは双方の疾患が生理学的に関係していることを考えればまったく不思議ではありません。どちらも高齢者に多く、不摂生な食事や座ったままで動くことの少ないライフスタイルなどが関係しています。 しかし、本質的な糖尿病性心筋症の存在や、糖尿病で心不全が多発するケースが一般的な併発状態(冠動脈疾患や動脈高血圧症)によるものなのかといった点をめぐっては、未だに議論が続いており、 いずれにせよ双方の疫学は平行線をたどっています。米国では現在、65 歳以上の患者様の退院時の診断として心不全が最も多く、この年齢層の約 25% が T2D を抱えています。

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Meet Me in 5:コーヴァンスでキャリアを伸ばす

従業員にやりがいのある目標を与え、優れた潜在能力を引き出すコーヴァンス。この 「Meet Me in 5」シリーズではその優れた人材育成について、5人の人物紹介、トピック、質問などを通じて説明します。

今回の Meet Me in 5 には経営陣のメンバーが登場し、コーヴァンスでキャリアを築いた中での経験を語ります。

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嵐の前の静けさ:自然災害時に検体を守るための準備

災害発生時、輸送中の患者様の検体の安全を左右するのは、 ハリケーンの画像 コーヴァンスブログ事前に立てられた緊急時対策計画です。災害には地震、竜巻、火山の噴火など、突然発生するものが数多くある一方、最近の一連の大型ハリケーンや台風などのように、時間をかけてやってくるものもあります。

この後者の自然事象が発生したときに、舞台裏で緊急事態に備えるのがコーヴァンスのグローバルロジスティクスチームです。常勤スタッフ 25 名以上を抱えるこのチームは、患者様の検体が保存安定性期間内にラボに届けられるよう輸送状況を監視し、運送業者との連絡を取り合いながらすべての重要業務の監督を行います。緊急時のデータを入れても、輸送障害が検体に与える影響は全体の 0.1% とごくわずかです。 続きを読む

中等度から重度の RA 患者様の治療における生物学的療法の地域的な普及と償還モデル

関節リウマチ(RA)は、主に筋骨格系に影響をおよぼす自己免疫疾患で、典型的な症状として関節の腫れや痛み、こわばり、機能低下などがあり、
治療しなければ最終的に身体障害を引き起こす場合もあります。 また、RA は疲労やうつ病など全身に大きく作用することもあり、多くの患者さんにとって、RA 患者様生活の質に明確に影響します。有病率は 0.3~1.0% で、男性より女性に多く、また先進国でより多く見られます。1

現代の RA 治療パラダイム(例:「目標達成に向けた治療(treat to target)」では、寛解や疾患活動性の低下に重点を置くことで関節の損傷や障害を最小限に抑えます。主な炎症性メディエーター(TNF アルファ、IL-1、IL-6)や細胞、および B 細胞や T 細胞の副刺激経路など適応免疫系の活性化経路を標的とする生物学的製剤は、RA やその他多くの免疫介在性炎症性疾患(IMID)の治療を大きく変革するとともに、メトトレキサートなど初期段階の疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)がターゲット目標の達成に効果がない場合の手段として、一般的な治療パラダイム2,3 に急速に導入されています。 続きを読む