A549 - 非小細胞肺癌のモデル

現在、多数のヒト非小細胞肺癌細胞株が存在し、基礎研究および創薬の両方に利用されています。一般的に利用される細胞株のひとつに A549 があります。これは、58 歳の男性患者から入手した上皮性腫瘍であり、KRAS 変異および EGFR 野生型として知られています。

執筆者:

Maryland Franklin 博士、サイエンティフィック・ディベロップメント担当バイスプレジデント

日付:

 2016年5月

肺癌は世界で癌関連死の最も多い原因であり、そのうち非小細胞肺癌(NSCLC)は約 85% を占めています。特定のチロシンキナーゼ変異(EGFR や ALK)の同定に基づく標的療法は、NSCLC 創薬のパラダイムシフトをもたらしました。しかし、新たな薬剤耐性の出現によって、バイオテクノロジーや製薬産業は、この疾患に対する新しい治療法のアプローチを開発しなければならないという大きなプレッシャーを今なお抱えています。

現在、多数のヒト非小細胞肺癌細胞株が存在し、基礎研究および創薬の両方に利用されています。一般的に利用される細胞株のひとつに A549 があります。これは、58 歳の男性患者から入手した上皮性腫瘍であり、KRAS 変異および EGFR 野生型として知られています。

図 1:SC A549 NSCLC 腫瘍に対するパクリタキセルの抗腫瘍効果
図 1:SC A549 NSCLC 腫瘍に対するパクリタキセルの抗腫瘍効果
図 2:SC A549 NSCLC 腫瘍に対するドセタキセル、ベバシズマブまたはそれらの併用の抗腫瘍効果
図 2:SC A549 NSCLC 腫瘍に対するドセタキセル、ベバシズマブまたはそれらの併用の抗腫瘍効果

コーヴァンスでは、NSCLC のモデルとして 10 年以上にわたり A549 を使用しています。そして、様々な標準薬を用いて数多くの皮下試験を実施しました。上の図は、パクリタキセル(図 1)と、ドセタキセル、ベバシズマブ、およびそれらの併用(図 2)に対する反応の例をいくつか示します。さらに、ルシフェラーゼに対応する A549 を使用することで、肺に直接同所移植した後の In vivo 増殖と治療反応を長期的に監視・定量化することができます(下図 3 および 4 を参照)。

図 3:肺に直接移植された同所 A549-luc 細胞の生物発光イメージ
図 3:肺に直接移植された同所 A549-luc 細胞の生物発光イメージ
図 4:ベバシズマブによる同所 A549-luc 移植マウスの治療後の全生存率
図 4:ベバシズマブによる同所 A549-luc 移植マウスの治療後の全生存率
表 1:肺癌細胞株
表 1:肺癌細胞株

A549 の増殖曲線はこちらをご覧ください:

 

コーヴァンスでは複数の肺癌細胞株を提供しています(表 1)。肺癌研究でのご利用につきましては、こちらよりお問い合わせください。