前臨床オンコロジー:2020年のスポットライト総まとめ

かつてない激動の年となった2020年。私たちはこの一年間、前臨床オンコロジーや Immuno-Oncology 薬のための妥当性の高いアプローチを可能にしようと、新しいモデルとテクノロジーの導入に懸命に取り組んできました。

業界で成長の一途をたどっている領域のひとつに、ヒト化マウスモデルがあります。コーヴァンスではヒト PBMC を用いてプラットフォームを確立し、A549 ヒト非小細胞肺癌と Mia-PaCa-2 ヒト膵臓のモデルのベースラインでの増殖とペンブロリズマブへの反応について概念実証を成功させました。詳細は下記をご覧ください。

このプラットフォームについては、ペンブロリズマブで治療した後の免疫細胞の反応をフローサイトメトリーで調べるなど、その後も研究は続いています。

また、飛躍的な成長を見せているもうひとつの領域が養子細胞療法です。この治療領域をサポートするため、当社ではヒト異種移植細胞株を幅広く取り揃えており(https://www.covance.com/industry-solutions/oncology/preclinical/complete-cell-line-list.html)、悪性血液疾患と固形腫瘍の両方についてさまざまなオプションをお客様に提供しています。しかし、モデルの準備は取り組みの第一歩に過ぎません。当社には、関連性のある NSG TM​​​​​​​ マウス株のモデル 30 種以上の In vivo 増殖データや、ルシフェラーゼを組み込んだ細胞株が約 100 種あります。In vivo での腫瘍負荷と治療反応性の追跡・モニタリングに用いる生物発光イメージング(BLI)においても、当社は業界をリードしています。当社は業界で初めて BLI を提供した CRO で、この領域の経験が最も長く、2020年のスポットライト特集(下記)でも取り上げたように、最も関連性の高いモデルと卓越した専門知識を持ち合わせています。

生物発光イメージング:腫瘍の成長、病態の播種、治療の効果を In vivo でモニタリング:https://www.covance.com/industry-solutions/oncology/preclinical/tumor-spotlights/Bioluminescence-imaging-spotlight.html

BLI を用いた研究でサポートがご入用なときは、ぜひコーヴァンスまでご連絡ください。

適切なモデルを持つことは重要ですが、治療反応で表現型および機序を評価するための手段を用意することも同様に重要です。表現型および機序のバイオマーカーは、調べている新規治療法の作用と結果を定義づけるうえで役立ちます。私たちは今年、既製のフローサイトメトリーパッケージとパネルのラインナップを拡張し、リンパ系および骨髄系細胞集団のより徹底した表現型分析のほか、 腫瘍浸潤白血球と CAR T 細胞の In vivo アッセイによる持続性機能分析を加えました。

現在までにコーヴァンスは、すぐに使用できるヒトおよびマウス細胞型フローサイトメトリーパネル / パッケージを約 20 種揃えており、当社のクラス最高の前臨床フローサイトメトリーサービスはより充実しています。

そして2020年は、In vitro でさらにもうひとつの領域が伸びました。当社は、zPREDICTA® の臓器特化型 3 次元(3 D)培養モデルによる In vitro 腫瘍プラットフォームを立ち上げたのです。このアッセイでは、関連細胞外基質内の、腫瘍の微小環境と特定の表現型を維持するうえで欠かせないことが実証されている生理学的成分の中で腫瘍細胞を長期間培養することができます。2020年は、悪性血液疾患や骨に発生するその他の癌の研究を支える再建骨髄(r-Bone)3D プラットフォームが確立されたことが注目を集めました。

コーヴァンスから新登場:zPREDICTA® 再建骨(r-Bone)、 プレートベースの 3 次元(3D)培養アッセイで骨髄腫、急性骨髄性白血病、転移性固形腫瘍に見られる腫瘍内微小環境を模倣:https://www.covance.com/industry-solutions/oncology/preclinical/tumor-spotlights/reconstructed-bone-3d-model.html

最後に、当社に加わった新しいモデルと実証済みのモデルに言及せずして2020年を締めくくることはできません。その意味も込めて、私たちは、開発中の同系同所性関連モデルについてデータと洞察をご紹介しました。詳細は下記をご覧ください。

Pan02-Luc:膵臓癌の同所モデル:https://www.covance.com/industry-solutions/oncology/preclinical/tumor-spotlights/pan02-luc-an-orthotopic-model-of-pancreatic-cancer.html

CT26-Luc:大腸癌の同所マウスモデル:Immuno-Oncology 試験への影響:https://www.covance.com/industry-solutions/oncology/preclinical/tumor-spotlights/ct26-luc-an-orthotopic-murine-model-of-colon-cancer-implications-for-immuno-oncology-studies.html

同系同所性モデルは当社が積極的に開発を進めている領域ですので、2021年もぜひご注目ください。お問い合わせいただければ、サイエンティストが詳しくご案内いたします。また、同系モデルとは別に、当社は NSG TM マウス株のヒト BT474 乳房モデルの再構築にも力を入れました。このモデルは扱いが難しいことで知られていますが、ここ数年で新たな関心が高まっています。2020年のモデルスポットライトでは、このアプローチに当社がどう取り組んだのかがご覧いただけます。

BT-474 ヒト乳管癌:古いモデルに新たな風を:https://www.covance.com/industry-solutions/oncology/preclinical/tumor-spotlights/bt-474-human-ductal-breast-carcinoma.html

2021年に向けた当社の目標は、引き続きお客様の新しいオンコロジーおよび Immuno-Oncology 資産の発展につながるモデルとアッセイのラインアップをさらに充実させることです。2021年は、現在進行している数多くの取り組みが成就する年でもあります。当社はこれからも、お客様の創薬と開発のニーズに応える前臨床オンコロジーおよび Immuno-Oncology ソリューションの拡大につながるさまざまなアプローチを展開していきます。

なお、「スポットライト」に登場する動物実験はすべて、施設を管轄する動物実験委員会によって承認され、「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」(実験動物の管理と使用に関する指針)に従って、人道的な安楽死基準が設定された AAALAC 認定プログラムの範囲内で実施されています。

ご意見やご感想をお待ちしております。検討されていることや、医薬品開発プロセスで何かお困りのことがあればぜひご相談ください。 

執筆者:

Maryland Franklin 博士 | サイエンティフィック・ディベロップメント部門エグゼクティブディレクター

日付:

2021年1月