コーヴァンスに新登場:zPREDICTA® 再建骨(r-Bone)、 プレートベース、3 次元(3D)培養アッセイ ― 骨髄腫、急性骨髄性白血病、転移性固形腫瘍に見られる腫瘍内微小環境を模倣  

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腫瘍細胞の被験物質に対する反応をよりよく反映する In vivo モデルを提供するためには、腫瘍が成長・増殖する生理学的機構を In vitro で繰り返し模倣・構築する必要があります。コーヴァンスではそのプロセスを、長期の癌細胞培養に対応した zPREDICTA 社の組織特異的 3 次元(3D)基質を用いて実践しています。コーヴァンスと zPREDICTA 社はこれまで zPREDICTA 社の独自技術、3D 細胞培養プラットフォーム(バイオ医薬品業界向け前臨床試験 / 研究プラットフォーム)を使用した腫瘍特異的 3D モデルの開発に共同で取り組んできました。この手法は「骨再建(r-Bone)型」であることが注目すべき点でもあります。

血液悪性疾患では骨髄内で腫瘍細胞が増殖するのが一般的な現象であることから、 概念実証試験ではヒト骨髄腫細胞株の RPMI 8226NCI-H929、U266B1 を用いました。図 1 は、ヒト骨髄腫細胞 U266B1 を基礎培地のみで培養したもの(2D)と、r-Bone 基質で 4 日間培養したものです。  2D の培養はすぐに過増殖し、単細胞懸濁液の形態特性が維持されましたが、r-Bone 3D の培養では細胞が凝集してより大きなクラスターへと拡大し、腫瘍の形態がよりよく現れていました。このクラスターは、研究者のわずかな介入で長期間維持することができます。 

図 1:ヒト骨髄細胞 U266B1 の 2D 培養と骨再建(r-Bone)3D 培養
図 1:ヒト骨髄細胞 U266B1 の 2D 培養と骨再建(r-Bone)3D 培養

 

図 2 は、r-Bone 基質上の培養物と、転移性乳癌細胞を播種した Ex vivo 骨髄細胞をクライオ電子顕微鏡で撮影した画像。r-Bone 細胞外基質(ECM)では骨髄間質の空間的・物理的構造が維持されています。   r-Bone ECM を使用すると、腫瘍細胞を間葉系幹細胞、線維芽細胞、リンパ系細胞、骨髄系細胞、CAR-T 細胞と合わせて培養する共培養が可能です。

細胞は、被験物質に暴露し、その後フローサイトメトリー、RNASeq、in situ イメージングなどの適切な手法で分析を行った後、基質から分離することができます。CellTiter-Glo® などの細胞毒性アッセイも、高能率の 96 ウェル、384 ウェルの両フォーマットで効果的に行うことができます。この培養プラットフォームは、バイオロジックスや小分子を含め、あらゆる薬剤クラスに対応しています。

図 2:r-Bone の細胞外基質構造は Ex vivo の組織と区別がつかないほどよく似ている
図 2:r-Bone の細胞外基質構造は Ex vivo の組織と区別がつかないほどよく似ている

 

図 3:多発性骨髄腫の標準的な治療薬のひとつに「ボルテゾミブ」がありますが2、 r-Bone で NCI-H929、RPMI 8226、U266B1 の各細胞を 4 日間培養した後にこのボルテゾミブを加え、培地に戻してさらに 4 日間培養しました。A は、そこに CellTiter-Glo® 試薬を加え、Cytation 3 イメージングプレートリーダー(Biotek Instruments 社)を使用して発光の定量測定を行った時のものです。溶媒で処理したウェル(各濃度 3 ウェルずつ)に対して 4 つのパラメータ非線形回帰分析を行い、データを正規化しています。B は、r-Bone 培地中の U266B1 細胞を溶媒(0.5% の DMSO)またはボルテゾミブ 20nM で処理した時の典型的な画像。赤い矢印は、72 時間の暴露後に死亡した、あるいは死にかけているクラスター内の細胞を示しています。

図 3: ボルテゾミブが r-Bone 培地中の骨髄細胞の増殖を阻害している様子
図 3: ボルテゾミブが r-Bone 培地中の骨髄細胞の増殖を阻害している様子

 

r-Bone アッセイは今後、複数の悪性血液疾患の In vitro 試験のプラットフォームになり得るだけでなく、乳癌、前立腺癌などの転移性固形腫瘍や骨基質の研究にまで応用できる可能性があります。

zPREDICTA は、カスタマイズされた腫瘍特異的 3D 細胞培養モデルを 2014 年から提供してきており、コーヴァンスと提携するようになってからは、当社の前臨床腫瘍モデルを拡大すべく数々の組織特異的基質の開発に積極的に取り組んでいます。 

現在では、マウス乳房再建(r-mBreast)、ヒト乳房再建(r-Breast)、 肺再建(r-Lung) 前立腺再建(r-Prostate)のモデルの特性化、開発が進められています。こうしたモデルが完成すれば、In vivo の組織微小環境をより忠実に模倣するプラットフォームを用いた被験物質の早期スクリーニングが可能になり、動物実験に先行的な投資を行う必要はなくなります。したがって、初期の開発においては、標的となる化学物質のライブラリが高能率の 3D アッセイでスクリーニング可能かどうか検討すべきです。

以上のような 3D モデルアッセイを前臨床のオンコロジー研究や Immuno-Oncology 研究に応用する方法につきましては、コーヴァンス前臨床オンコロジー担当のサイエンティストまでお問い合わせください。​​​​​​​

参照

1.      Edmondson R、Broglie JJ、Adcock AF、Yang L. 著「Three-dimensional cell culture systems and their applications in drug discovery and cell-based biosensors」(三次元の細胞培養システム、およびその創薬 / 細胞ベースバイオセンサーにおける応用) Assay Drug Dev Technol. 2014;12(4):207–218.

2.     「Bortezomib Monograph for Professionals」(専門家向けボルテゾミブ モノグラフ」 Drugs.com より、検索日付:2019年10月13日