希少疾患向け医薬品開発の促進:マーケットアクセスの 4 つのキーポイント

資金や規制の面でのオーファンドラッグ開発のインセンティブのおかげで、医薬品業界における希少疾患のマーケットは拡大しています。 これは治験依頼者と患者様双方にとって朗報ですが、希少疾患の治験が困難な要素を伴うことに変わりはありません。さらに、複雑な研究が完了して規制当局の承認にこぎつけたとしても、それがただちに市場での成功につながるわけではありません。

コーヴァンス、マーケットアクセスサービス担当バイスプレジデントの John D. McDermott, Jr. は、希少疾患向け医薬品開発のマーケットアクセスの課題に関する最近の見解のなかで、依頼者や利害関係者が考慮すべき点を述べています。

  1. 疾患についての初期教育

希少疾患全体が注目を浴びていますが、依頼者は、対象とする特定の病状および患者様にとっての重要性を潜在的な購入者が十分に理解していると想定することはできません。

疾患の自然な経過に関するエビデンスを開発し、患者様の病状を明らかにすることで、依頼者は購入者に対して、満たされていない医療ニーズと患者様にとっての効果を明示することができます。このデータは、将来的な価格提案を形作ります。支払いに対する潜在的な障害を克服し、発売開始の際の消費者からの反応を高めるためにも、依頼者はお客様に対する疾患の「マーケティング」について考えるべきです。購入者は提供する医薬品の対象である疾患を理解する必要があるからです。

  1. 患者様の視点を重視

治験データの収集に、希少疾患の患者様の存在は欠かせませんが、治療にあたっての個人的な体験に関するデータも同様に貴重です。依頼者は、臨床を超えた患者様のニーズをよく理解するために、患者様の観点から希少疾患を知ることができるユニークな立場にあります。

患者様が報告した結果 (PRO:Patient-Reported Outcome) や、その他、医療に関連したクオリティオブライフのための措置が、依頼者にとって患者様に受け容れられる重要なエビデンスを形作るうえで役立ちます。このツールにより、治療の利点をよく理解でき、また日常生活を送るうえで医薬品が及ぼす影響について患者様に知らせることができます。患者支援団体と提携することにより患者様と強い関係を築くことで、今後のリクルート活動の困難を緩和し、治験における適切なエンドポイントの選択について明示するとともに、発売後の医薬品に対する大きな需要の創出につながります。

  1. 支払いに対する潜在的な障害とお客様の特殊な立場を理解する

オーファンドラッグは発売当初、極めて少ない人数を治療対象とする開発コストを補填し、十分な投資利益率を上げるため、往々にしてその他の医薬品に比べて何倍もの価格になります。総合保険に加入していても、希少疾患治療のための自己負担金や実質的な費用は膨大なものになります。治験依頼者は、患者様の金銭的な負担について慎重に考慮し、患者様が医薬品を購入できるように徹底する必要があります。

自己負担金補助プログラムを通して、患者様は負担金について非営利団体の助けを利用するなどして、医薬品の入手と維持が可能になります。また製薬会社は、保険の有無を問わず薬剤を購入する余裕のない患者様のために、患者者様支援プログラムを独自に提供することもできます。最終的な価格にかかわらず、治験依頼者は、こうした重要な償還に関するケース管理サービスへの患者様のニーズに対応した、確固としたマーケットアクセス支援プログラムを開始することもできます。

  1. 市販化までの過程とその影響を理解する

治験依頼者は、同じ製品でもオーファンドラッグ適応かその他の医薬品か、どちらかを選ぶ立場におかれることがあります。オーファンドラッグの開発は、優先的承認の可能性、比較的長期にわたる独占状態、医薬品を市販化するにあたり投資水準が低くてすむなどの理由から、依頼者にとって非常に魅力的です。ただし、オーファンドラッグが市販化に至るまでの過程は必ずしも最良の選択とは言えません。

オーファンか非オーファン適用かの選択を迫られる依頼者は、市場の規模を評価して、商業的成功の可能性が一番高い選択肢を選ばなければなりません。考慮すべき要素として、患者集団の相対的な規模、予想価格、必要な投資、開発期間、その後の適用などが挙げられます。慎重な計画と投資モデルの開発も、依頼者が最も魅力的な市販化への経路を選ぶ際に役立ちます。

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希少疾患の治験を効果的に行って、治療手段を患者様に提供するのは、困難がつきまとうプロセスです。コーヴァンスには、希少疾患およびオーファンドラッグ製品の {25 年以上にわたるマーケットアクセスコンサルティング経験があります。当社は 50 件以上もの適用を支援してきた実績を活かして、お客様の希少疾患向け医薬品開発プログラムが持つ市場での可能性をフルに実現するお手伝いをいたします。

このほかにも、当社の希少疾患に対する取り組みマーケットアクセスソリューションについてご紹介しています。



John D. McDermott, Jr, MBA

コンサルタントとして 21 年の経験を持ち、価値提案の作成をはじめ、疾病の負担、医療経済研究、メディケア / マネージドケアでの支払い方法、新製品発売企画などを中心に取り組んできました。また、心臓病、消化器病、血液学、神経学、オンコロジー、泌尿器関連の分野で、購買者とプロバイダーを対象にした医薬品と各種機器のマーケットリサーチも手がけています。

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