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    • 新しい非侵襲の NASH 診断バイオマーカー


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      Published On Apr 20 2016, 3:41 AM

      Novel biomarkers represent a promising means to improve diagnosis of nonalcoholic steatohepatitis (NASH). 現在、最も信頼できる診断法として用いられているのは外科的に行う肝生検ですが、 コーヴァンス NASH(肝疾患)ブログこれには多くの制約があります。肝臓の状態を評価するためのバイオマーカーは各種ありますが、NASH とそのほかの疾病を完全に識別できるものはありません。高度画像化技術も特定の肝機能を調べるのには役立ちますが、実用的ではなく費用もかかります。

      最終的な目標は、患者様が NASH なのか非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) の肝線維症なのかを明確に区別できる非侵襲性のバイオマーカーを見つけることにあります。 最近の研究では、核磁気共鳴 (NMR) 分光法や microRNA 検査、ジェノタイピングなどの手法が有効である可能性が示唆されています。 そこにバイオマーカーを加えて治験を行えば、化合物の有効性を早く知ることができ、バイオ医薬品メーカーは自信を持って臨床検査を次の段階に進められます。

      優れた検査方法に対するニーズ

      肝生検は侵襲性でかなり定性的であり、リスクも伴うことから、NASH 診断の理想的な方法とは言えません。また、肝生検は肝臓のごく一部分でしか行われないため、炎症や線維化が起こっている箇所が見落とされることがあります。どこでサンプルを採取するかによって結果も変わってきます。すべての患者様について同じ場所からサンプルを採取できるわけではなく、得られる量も確信がもてるほど十分なものではありません。

      非侵襲性の NASH 診断バイオマーカー

      脂肪肝と NASH、そしてに肝線維化の識別を目的として、これまでに複数の非侵襲性バイオマーカーやパネル(バイオマーカーを組み合わせたもの)を用いた検査が行われています。そのなかで肝線維化の診断によく用いられているのが、NASH の FibroSure® と ELF (Enhanced Liver Fibrosis) という 2 つのパネルです。 FibroSure では、臨床上のパラメータとなる年齢や体重に加えて、肝臓内の酵素、トリグリセリドなど 10 個の生体分子を測定します。ELF は 3 つの代謝回転マトリックスタンパク質を調べ、そのスコアを合計して繊維化の重度として表します。ELF スコアを構成するこの 3 つのタンパク質が、繊維化を直接見極める唯一の指標となります。データには肝臓の外側で起こっている線維化も反映されますが、このタンパク質合計スコアが治療の成果を知る手がかりとして治験で役立っています。

      ただ、有益な情報が得られるこれらの検査には改善すべき点も残されています。FibroSure では、患者様の病態が NASH なのか脂肪肝なのかをしっかり判定できません。一方の ELF も、C 型肝炎と肝線維症との違いは同定できるものの、NASH の診断には力不足です。

      NASH の新しいバイオーマーカー

      まだ臨床的な検証が必要ですが、新しい NASH のバイオマーカーはいくつか出てきています。

      たとえば NMR 分光法です。 この手法はリポタンパク粒子数と大きさの定量化に使用でき、特定のリポタンパク質の特性が NASH と関係していると考えられています。マーカーにはリポタンパク粒子のサブクラス、インスリン抵抗性スコアが含まれており、大規模な治験でコスト効率よくインスリンの抵抗性を知ることのできる手法でもあります。測定によって、超低密度リポタンパク (VLDL) 粒子の大きさの加重平均値と VLDL 低粒子の数が分かるため、NASH と肝線維化の FibroSure スコアなど、パネル個々の改善につながると期待されています。

      microRNA: microRNA は有望視されているバイオマーカーで、血清・血漿内での安定性が比較的高い、入手しやすい、検出が簡単といった特徴があります。 肝臓はこの RNA 低分子をシグナル伝達分子として放出します。循環する特定の microRNA のなかに肝臓癌、B 型肝炎、C 型肝炎、薬物性肝障害と関わりのあるものがあることが分かっています。特定の microRNA が NASH に関係する可能性があることが研究で分かっています。

      microRNA の背景には様々な疾病の相互関係がうかがえることから、パネル間の精度を見極めるさらなる研究が必要です。それと並行するように製薬企業も、将来レトロスペクティブ分析を行うことを視野に入れ、microRNA を模索的エンドポイントとして取り入れ始めています。

      ジェノタイピング: NASH と関わりのある遺伝子が研究で複数見つかっています。そのなかでも、非アルコール性脂肪性肝疾患の進行に深い関わりがあると疑われているのが遺伝子変異体 PNPLA3 です。この変異体は約 4 人に 1 人が持っていると言われていますが、その割合は対象集団によって高くなることもあります。

      ジェノタイピングを利用することで、製薬企業は NASH を発症する可能性の高い患者様を対象にした研究を充実させることができます。またレトロスペクティブ分析を使えば、特定の変異体を持つ患者様における薬剤効果の差異を判定できる可能性があります。たとえば、ある化合物が高リスクの変異体を持つ人に対してのみ効果がある場合、企業はその化合物の薬剤を処方すべきかどうかを決めるのにコンパニオン診断を提案することができます。

      独自の開発力

      NASH 治療を推進する強力な基盤を持つ当社は、複数の学術機関と提携して新しい非侵襲性 NASH バイオマーカーの臨床的検証データの創出に取り組んでいます。前臨床から開発後までを扱う CRO として、NASH バイオマーカーの研究においても発見という早い段階から行っています。NASH プログラムでの臨床的決定にバイオマーカーを利用する際や、NMR 分光法、microRNA 技術、ジェノタイピング、コンパニオン診断などを活用する際は、結果が形になるよう当社の肝疾患専門家がアドバイスをいたします。

      NASH の取り組みに関するホワイトペーパー、ウェビナーはこちらをご覧ください。

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