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    • 非アルコール性脂肪性肝炎:医薬品開発の現状


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      Published On Aug 03 2016, 3:41 AM

      非アルコール性脂肪性肝炎:医薬品開発の現状非アルコール性脂肪性肝炎:医薬品開発の現状 Q&A

      循環器 / 代謝グループのフェーズ II-IV 担当シニア医療ディレクター、Claudia Filozof 医学博士と、グローバル・レギュラトリー・アフェアーズ エグゼクティブストラテジストの Richard Williams 法務博士に聞きました。

      今は NASH の医薬品を開発する時期として適切ですか?そうなら、その理由を教えてください。

      Claudia:はい、今はとてもいい時期です。複数の企業が NASH の開発を始めていますが、治療薬として承認されたものはまだひとつもなく、医療面で満たされていないニーズが非常にたくさんあります。保健当局も、開発のスピードアップを後押ししようと企業の支援に大きな意欲を見せています。化合物の適性が合っていれば、NASH 医薬品開発プログラムをスタートさせるうえで複数のメリットがあります。

      Richard:この病気が治療できなければ、社会は莫大な代償を支払うことになるでしょう。未対応のニーズが相当な規模で存在することについては、大小を問わずほとんどの製薬企業が認識していると思います。この現状をふまえて、規制当局は条件付きでの承認を採用しています(米国で行われているスピード承認)。この方法では医薬品のマーケティングを優先して承認が先に行われ、あとから転帰をもとに臨床効果を実証するという条件が企業に課されます。

      NASH の医薬品開発における最も深刻な課題は何ですか?

      Claudia:プライマリーエンドポイント、そしてセカンダリーエンドポイントの多くで侵襲的な手法をもっと用いるべきだと思っています。ただ、患者様は肝生検を何度も受けたくないかもしれません。また、臨床転帰研究には最低 5~6 年の歳月を要します。そのほか、この疾病の自然経過も重要な課題です。病態が知らず知らずのうちに退行するケースが多いため、プラシーボの判別が難しいことがあります。

      Richard:償還の問題がひとつのリスクになっています。海外の保健当局が、その医薬品を償還の対象とするかどうか、そしてどのようなエビデンスの提示を求めてくるのか、考えなければなりません。一番いいのは、プロセスの早い段階で医療技術評価グループとの話し合いを持ち、そのうえでエンドポイントを決定して、治療薬が患者様の利益となることを実際に償還を行う側にはっきり示す方法です。

      既存の医薬品を用いて NASH 治療薬を開発することも視野に入れるべきですか?

      Rechard:承認された治療薬がひとつもなく、ニーズが満たされていないことから、既存薬の再開発についてはかなり柔軟に考えることができます。もしかしたら、NASH 治療には体重の減量が有効なのかもしれません。そうだとすれば、体重減少効果のある医薬品を持つ企業が、それを開発に取り入れてみるというのもひとつです。安全性のプロファイルはすでに分かっているため、リスクも低くなります。

      疾病の進行初期段階にあって、治験の目標母集団に最適な患者様について教えてください。

      Claudia:病態が退行するケースを考え、ごく初期の患者様は入れないようにします。肝生検の結果で決める場合は、NASH を発病している人で NAFLD 活動性スコアが最低 4 ある人を選びます。また、病態進行の主な原因が肝臓の繊維化であるため、サブグループには肝線維症を患う人を含めてください。

      適性に合ったバイオマーカーを確実に選ぶためには、どのようなことに注意すればよいですか?

      Claudia:最も受け入れられているバイオマーカーは、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT: Alanine Aminotransferase)などの肝臓酵素の量変化です。しかし、NASH で ALT をバイオマーカーとすることには限界があります。というのも、ALT は病態が進行していても通常レベルであることが多く、高い値を示すのは患者様の 3 分の 1 にしかならないからです。

      化合物の作用機序と合わせて、感度や特異性もふまえたうえでバイオマーカーを決定しなければなりません。インスリン抵抗性も、疾病の進行や長期化を考えれば重要な要素です。通常は、インスリン抵抗性の改善が NASH の病態改善につながります。炎症、アポトーシス、酸化ストレス、繊維化のバイオマーカーも検討してください。

      将来、NASH の医薬品開発にはどのような変化があるのでしょうか?

      Richard:この分野には急速な変化がつきものですが、今私たちが待ち望んでいるのは、有用な非侵襲のエンドポイントが出てきてくれることです。それはプロセスのスピードアップになるからです。患者様の変化については、組織学的なものよりも生化学的なものがずっと早くにあるでしょう。開発を加速できる可能性がそこにあります。

      Claudia:近い将来 NASH と診断される人の数が増えると考えています。その結果、複数の化合物が必要になり、最終的な治療薬が複数の作用機序を持つことになると思うのです。またその過程では、非侵襲のマーカーの検証が行われるでしょう。

      コーヴァンスがこの分野でできることは何ですか?

      Richard:私たちコーヴァンスは、前臨床からフェーズ IV までの医薬品開発プロセス全体をサポートすることのできる数少ない CRO のひとつです。当社には、コスト削減やバイオマーカーの使用に関わる臨床的決断を含め、さまざまな観点で治験デザインの見極めをお手伝いできる肝臓病の専門家がいます。また、製品の成功になくてはならないマーケットアクセスと規制への対応ができる医薬品開発の専門家もおり、お客様には、彼らとともに業務に取り組んでいただいています。 このように、私たちは NASH 治療薬の市販化を目指す企業に幅広いサービスを提供しています。

      詳細については NASH 医薬品開発のウェビナーをご覧ください。

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