プレシジョンメディシンの未来に投資

プレシジョンメディシンの未来に投資

これまでのブログでコーヴァンスのサイエンティストがプレシジョンメディシンの現状についてお話しし、コンパニオン診断 (CDx) や Immuno-Oncology とプレシジョンメディシンとの関わりについて特に注目してきました。私たちは企業として、医療におけるこの分野を初めから重視してきました。その歴史は 20 年以上前にさかのぼります。実際 LabCorp Diagnostics が治験アッセイを開発し、トラスツズマブの開発中、HER2 陽性乳癌の試験を行うセントラルラボとして機能しました。FDA が初めて認可したコンパニオン診断薬は、免疫組織化学ラボ試験と LabCorp Diagnostics の試験分析データの成果によるものです。最近では、コーヴァンスはペンブロリズマブの開発を支援しました。これは、ジミー・カーター元大統領の悪性黒色腫の治療にコンパニオン診断薬と併せて利用された薬剤です。

過去 20 年にわたり、当社は開発と市販化の領域において揺るぎない確かな実績を築いてきました。以下のような実績があります:

  • 最近承認を受けた HER2、KRAS、EGRF、BRAF および ALK を含む FDA の承認を受けたすべてのコンパニオン診断のうち、約 75 パーセントの開発を支援しました。
  • コンパニオン診断の In vitro 診断 (IVD: In Vitro Diagnostic) およびラボ開発テスト (LDT: Lab Developed Tests) バージョンにおけるリーダーシップ
  • オンコロジー、循環器系、中枢神経系、感染症および炎症をはじめとする治療領域にわたる CDx の経験
  • バリデーション、試験、規制への対応およびマーケットアクセスのサポートを含む、治療薬とそれに付随する CDX の共同開発におけるベンチから市販化までの専門知識

プレシジョンメディシンの市場が2023年までに 870 億ドルを上回る見込みとなっている現在、 上記はほんの始まりに過ぎません。[i]

プレシジョンメディシンの未来
免疫療法における第一段階は、医療コミュニティと患者様に対し大きな変化をもたらすことです。今日では、こうした命を救う治療法についての情報は医師からだけでなく、テレビ CM、雑誌の広告、ソーシャルメディアなどから得ることができます。これらの新薬や付随するバイオマーカーアッセイの未来は、より複雑になっていくでしょう。コンパニオン診断は、タンパク質の構造内または発現における遺伝子突然変異や変化など、主に単一の遺伝子またはプロテオミクスの変化をターゲットにしてきました。今後、これらの試験では疾患の生物学に関連する複数の検体や対象の評価と特定の治療法に焦点が当てられることになります。

急速に進化する新しい技術は、当社がこれらの発展への道を切り拓くうえで大きな力となります。たとえば、現在の Immuno-Oncology のための一連のバイオマーカー検査は、フローサイトメトリーや免疫アッセイなど、細胞ベースのアッセイ、解剖病理学や免疫組織化学的アプローチを含む組織ベースのアッセイ、突然変異の負荷、新抗原、免疫反応遺伝子発現やマイクロサテライトの不安定性を評価するゲノミクスアッセイを用います。このほど開催された米国臨床腫瘍学会 (ASCO:American Society of Clinical Oncology) 会議では、ゲノミクス/マイクロサテライトの不安定性 (MSI: genomic/microsatellite instability) および腫瘍変異負荷 (TMB: Tumor Mutation Burden) は、多様な癌における免疫療法に対する反応の重要な予測因子として示されました。さらに、有望な結果をすでに示し始めている別の新しい技術やアプリケーションには、液体生検や腫瘍ならびに免疫機能遺伝子の遺伝子発現プロファイリングなどがあります。

アッセイ開発から市販化に至るまでには、引き続き課題が残るでしょう。市販化の観点から考えると、コンパニオン診断に価値があるとしたら、それは臨床の慣行を変えられるかどうかにかかっています。コンパニオン診断は、臨床医にとって扱いやすく、医師と患者様が迅速かつ正確に意思決定を下せるよう、データを適時提供できるようでなければなりません。また、患者様にとって費用の負担が少なく、医療システムにとっても低コストでなければなりません。

新時代のための新しいラボ
当社は、より複雑化する科学とお客様の要望に応えるため、最先端のコンパニオン診断 (CDx) 専用ラボをノースカロライナ州モリスビルに開設しました。新しいラボは多目的な機能を備えた設備であり、治験とコンパニオン診断アッセイ開発をサポートするゲノミクスおよび分子病理学ラボのほか、リポタンパク質および低分子代謝物の凝集を特定して定量化する、FDA が最初に承認した NMR 分光計を配備した核磁気共鳴 (NMR: Nuclear Magnetic Resonance) ラボが設置されています。また、診断材料や検査用コンポーネントの製造設備もこの施設内にあります。

さらに、包括的な CDx ラボはラボコープの専門ラボ(ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク所在の Center for Molecular Biology and Pathology と同州バーリントンにある Center for Esoteric Testing)に近い便利な場所に位置しています。これらの施設には、それぞれの分野におけるトップレベルの研究者やサイエンティストが在籍し、プレシジョンメディシン診断の開発と市販化に重点を置いて活動しています。

当社の過去、そして現在の関わりからも証明されるように、当社はサイエンス、規制に関するサポート、新規治療法およびコンパニオン診断の市販化の道を切り拓く支援を提供してきました。こうした機能にタイムリーかつ集中的に投資することで、当社は世界的にも重度の疾病に対する患者様一人ひとりに合った治療を探究し続けることができるのです。

当社の新しいラボについての詳細はこちら。

[1] http://www.prnewswire.com/news-releases/precision-medicine-market-size-to-exceed-87-billion-by-2023-global-market-insights-inc-599454691.html

Steven Anderson 博士

Steven Anderson 博士はコーヴァンスの最高科学責任者として、さまざまな事業部門にまたがる科学戦略の策定と実践をリードするとともに、科学チームとも連携しながら活動しています。コーヴァンスの CSO に就任する前は、ラボコープの科学、技術、運営に関するさまざまな職務を担当していました。Anderson 博士は、米国癌研究会議、アメリカ臨床腫瘍学会、分子病理学協会など、さまざまな専門家協会のメンバーです。彼は、患者様管理で現在使用されているコンパニオン診断の最新の例のいくつかを含む、分子診断学の開発と応用の研究に従事しています。175 本以上の論文や要約を執筆しており、さまざまなジャーナルで公開されています(Genetics、Proceedings of the National Academy of Sciences、Clinical Chemistry、The Journal of Infectious Disease、Human Pathology、American Journal of Obstetrics and Gynecology、Oncogene、The Journal of the National Cancer Institute、Clinical Cancer Research、Breast Cancer Research、BMC Cancer、the Journal of Molecular Diagnostics、Archives of Pathology and Laboratory Investigation、Expert Reviews in Molecular Diagnostics など)。アイオワ州立大学で遺伝子学の博士号を取得、ラトガース大学のワクスマン研究所では米国癌協会の博士号研究員として勤めました。

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