治験の効率化に向けたデータ管理:実践的なビジネスアプローチ

現在の治験はより複雑でコストがかかるようになっており、製薬企業は治験運営のさらなる改善を求められています。治験データ管理は、治験依頼者および開発業務受託機関(CRO)の両者が新たな効率化を見出し、コスト削減の対策を強化して、臨床開発サイクルの全段階において多様な業務リポートのニーズをよりよく満たせる分野です。

このブログでは、従来の電子データ収集システムと、最新の「ビッグデータ」アプローチに関する目下の課題を検証することから始めます。「ビッグデータ」アプローチは、これまでほとんど光が当てられることのなかったこの分野において、複雑な業務リポートの効率化を図るものです。またここでは、二つの異なるデータレポジトリ(業務上のデータウェアハウスと臨床データウェアハウス)、Xcellerate® 臨床データハブについてもお話しします。これは、Xcellerate インフォマティクススイートを介した新たなデータモデルの一部であり、治験運営において重要な意味を持つ技術的な進歩を可能とするものです。

「非効率」の現状を理解する

治験では、臨床データはすべて電子的に収集されるものの、その他のデータの取得や業務の監督、品質に関する追跡、安全性のモニタリングなど、連動していない複数のシステムを使用して行わなければならない業務もあります。自動応答技術 (IRT)、電子データ収集 (EDC) システム、治験管理システム (CTMS)、電子治験マスターファイル (eTMF)、品質管理システム (QMS) などはその例で、通常は別々のベンダーから、あるいは外部ホストとして提供されています。

研究マイルストーンの記録や、施設のパフォーマンスのモニタリング、レポート作成といった治験業務の管理を行う際は、こうしたソースをすべて確認しながら手作業でデータを集めなければなりません。そこに拡張性はなく、当然ながらコストがかかります。またこのプロセスは効率性に欠けるうえ、遅延やエラー、誤差も生じやすく、治験監視上の格差にもつながります。

市場には、業務レポートのニーズをさまざまな「ビッグデータ」アプローチで解決することをうたったサービスが複数ありますが、当社はその使用が時期尚早で誤ったものであると考えています。大量のデータを非常に効率よく集めることができるテクノロジーもあるとはいえ、こうしたテクノロジーではマッピング / 正規化がクエリを実行する時まで後回しになってしまいます。また、クエリやレポーティング機能の多くはまだ発展途上で、構造化照会言語 (SQL、リレーショナルデータベースの標準言語)ほど充実していません。業務レポートの大半は標準化されていることから、データを最初に正規化してレポートの業務そのものを簡素化することが、堅牢で拡張性に優れたソリューションであると当社は考えています。

業務レポートのニーズを見定める

業務レポートのニーズは、研究のニーズ、プロセスの形態、スポンサーの希望、ソースシステムの能力に応じて、臨床開発ライフサイクルで多岐にわたる場合があります。とはいうものの、研究の計画とパフォーマンスを比較した標準化されたレポートで解決する場合がほとんどで、 施設のアクティベーション、リクルート、国 / 地域 / 担当業務別の部門パフォーマンスなどがその指標となりまです。標準化したレポートでは再発した問題やその解決記録を追跡することも可能で、GCP や SAE のプロトコル逸脱例をはじめ、データの品質、コスト面のパフォーマンス、重要業績評価指標 (KPI) による CRO パフォーマンスなどが調べられます。一方、非標準のレポートでは、傾向分析、根本原因分析、モデリング、予測などを盛り込むなど、データによりいっそうのカスタマイズが求められます。

以下は、業務レポートソリューションの要件です:

  • 臨床データ収集のマーケットリーダーとの連携が可能
  • 適切なデータプロバイダーにデータ統合を委託可能
  • 低コストで効果的なソリューションを用いて標準化されたレポートのニーズに対応
  • 特別なレポートへの対応が可能

また、業務レポートソリューションは、臨床開発環境のニーズに対応できる拡張性とセキュリティに対応していなければなりません。シームレスな治験の実施・成功を目指して複数のスポンサー、CRO、データベンダーが提携しなければならいケースが多くなっているからです。

異種システムの統合を促進

コーヴァンスでは、臨床開発の分析データを統合する際、業務上の目標と臨床上の目標を切り離すことでその効率化を図ります。業務上の目標は、データの品質、患者様の安全、スケジュール、コストの面から治験を最適な形で実施することで、それを業務のデータウェアハウスを使って行います。それに対して臨床上の目標は、適格な患者様の受け入れ、収集したデータが目的に適っていることの徹底、薬に関わる安全性の監視で、その実践には臨床のデータウェアハウスを使用します。

業務全体を対象とした拡張型システムをデザイン

柔軟で維持・拡張可能なシステムとしてデザインされたコーヴァンスのモデルは、さまざまなソースからのデータを効率よく統合することができます。新しいデータソースも、手間なく簡単に追加することができます。エンドユーザーは Xcellerate® インフォマティクススイートを通して操作を行い、その視覚的なインターフェースでクエリや結果確認を実行します。

治験インフォマティクス

また、集約されたデータには視覚的なダッシュボードからアクセスでき、プロジェクトチームが治験の進捗状況をマイルストーンやパフォーマンス目標と照らし合わせて確認できるようになっています。このインタラクティブな環境では、施設の立ち上げ・被験者受け入れ、施設のパフォーマンス、国のパフォーマンス、プロトコル逸脱、データ管理、助成金の支払いなど、すべての施設 / 地域を対象にした主要評価指標(KPI)の長期的動向が研究ごとに分かります。

Xcellerate インフォマティクススイートを利用すれば、プロジェクトチームは、重要なパフォーマンス目標(施設のアクティベーション日、被験者登録日、研究完了日など)が予定通り達成されているか、また、主なマイルストーンや予測の目標が実際と合致しているかなどを確認することができます。

標準化されたレポートが治験データ指標の大半をカバーするとはいうものの、当社は、スポンサーの多くが業務データの探索的データマイニングや暫定的な分析に興味を持っていることも把握しています。その点、業務データウェアハウスに直接アクセスできることで、そうしたものを取り入れたレポーティングも可能で、基盤となるサービスデータベースを対象に一般的な分析ツールを使って直接クエリを実行できます。

情報に基づいた治験の意思決定

複雑な治験はデータをあふれさせ、意味のあるデータの管理・抽出を困難にしています。その一方で、柔軟性のないデータ収集システムによってメンテナンス業務が常態化し、精度の高いデータの収集が妨げられて問題になっています。Xcellerate 臨床データハブは、こうした本質的な課題への堅牢なソリューションとなり、治験の意思決定を情報に基づいて行えるようスポンサーを支援します。

詳しいコーヴァンスの業務レポートアプローチについては、ホワイトペーパー「治験の効率化に向けたデータ管理:実践的なビジネスアプローチ」をダウンロードしてご覧ください

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