中等度から重度の RA 患者様の治療における生物学的療法の地域的な普及と償還モデル

関節リウマチ(RA)は、主に筋骨格系に影響をおよぼす自己免疫疾患で、典型的な症状として関節の腫れや痛み、こわばり、機能低下などがあり、
治療しなければ最終的に身体障害を引き起こす場合もあります。 また、RA は疲労やうつ病など全身に大きく作用することもあり、多くの患者さんにとって、RA 患者様生活の質に明確に影響します。有病率は 0.3~1.0% で、男性より女性に多く、また先進国でより多く見られます。1

現代の RA 治療パラダイム(例:「目標達成に向けた治療(treat to target)」では、寛解や疾患活動性の低下に重点を置くことで関節の損傷や障害を最小限に抑えます。主な炎症性メディエーター(TNF アルファ、IL-1、IL-6)や細胞、および B 細胞や T 細胞の副刺激経路など適応免疫系の活性化経路を標的とする生物学的製剤は、RA やその他多くの免疫介在性炎症性疾患(IMID)の治療を大きく変革するとともに、メトトレキサートなど初期段階の疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)がターゲット目標の達成に効果がない場合の手段として、一般的な治療パラダイム2,3 に急速に導入されています。

大成功を収めた生物学的製剤は、長年にわたって RA 治療の市場で有力な存在となり、同様あるいは新しい経路を標的とする生物学的製剤の開発・推進に貢献し続けてきました。その結果、RA 治験で受け入れる患者様や医師らの獲得めぐって競争が激化しています。世界の状況を把握し、治験で効率よく適格な被験者を特定するためには、コストや各種償還 / 保険適用など、患者様に治療にアクセスしてもらうための要素をその地域的多様性・複雑性と合わせて確実に理解しなければなりません。

世界規模で事業を展開しているコーヴァンスは、病態の進行する RA 患者様によく効くであろう生物学的製剤の入手環境が、地域、国、さらには州レベルで異なることについて広く理解しています。また、生物学的製剤の治験に大きな関心を持っている可能性のある RA 患者集団や治療担当医師がどの国 / 自治体にいるのかといったことも間接的に把握しています。

たとえば、当社では国 / 地域ごとの生物学的製剤の入手状況を継続的に監視していますが、それによると東ヨーロッパや中南米、アジア、オーストラリア(驚かれるかもしれませんが)では、国のガイドラインで使用が推奨されているのにもかかわらず、RA 患者様の生物学的製剤の入手方法は非常に限られていることが分かっています。患者様の生物学的製剤の利用状況は西ヨーロッパと北米で特に良く、国の助成や民間の医療保険による医療費の償還もかなりの程度で行われています。下の表は、RA 治療向け生物学的製剤の患者様アクセスの最近の状況を地域ごとに示しています。

地域 生物学的製剤で治療を受けている RA 患者様の割合の平均
(%)
生物学的製剤で治療を受けている RA 患者様の割合(範囲)
(%)
資金調達
西ヨーロッパ 23 1 – 30 大半が国の助成または医療保険(一部または全額)
東ヨーロッパ 10 1.5 – 25 国が全額助成(クロアチア、ラトビア、ルーマニアなど)、国が一部助成(ブルガリア、チェコ共和国など)、患者様が大半または全額を自己負担(ロシア、ウクライナなど)
北米 23.75 17.5 – 30 米国 - 国が助成する場合と患者様 / 従業員が負担する場合の両方。 カナダ - 国が助成(程度は州 / 準州によって異なる)。
中南米 12.5 10 – 25 国が全額助成(ブラジル、チリなど)、患者様 / 民間の医療保険が大半または全額を負担(メキシコなど)
アジア 12.5 5 – 25 国が一部助成(日本など)、患者様 / 民間の医療保険が大半または全額を負担(香港、フィリピンなど)
オーストラリア 10 5-15 患者様が少額を自己負担
イスラエル 30 30-30 ほとんどの生物学的製剤が国民健康保険の適用対象。

 

上記のデータを利用すれば、治験をどこで行うか決める際、ターゲットとなる患者集団や希望の患者様特性(生物学的製剤使用経験の有無など)をもとに理想的な場所を特定することができます。また、コーヴァンスの Xcellerate® 治験デザインソリューションにはフェーズ II〜III の治験に 5 年にわたって携わるリウマチ専門医 1,400 名以上のパフォーマンス指標が含まれており、こうしたものも合わせて活用すれば、当社の RA 顧客と連携しながら治験実施場所選定のオプティマイゼーションを行えるようになります。RA 治療のパラダイムが生物学的製剤へとシフトしたことで、反応率や患者様の長期的な臨床転帰は著しく向上し、開発企業にも商業的成功がもたらされました。その結果、さらなる革新的な化合物の開発に今なお大きな関心が寄せられており、最近では実績を上げている生物学的製剤のバイオシミラー版開発への関心も高まっています。ただ、これが RA 患者様(特に生物学的製剤 / TNFi の使用経験のない患者様)へのリクルートの集中を招いたため、患者様を効率的に特定するための新しい戦略が必要になっています。

コーヴァンスには、 ターゲットとする特定の患者集団に合わせて最適な形で治験実施国の選定を行い、お客様の期待に沿ったリクルートを実現するためのグローバルなインフラとユニークな独自のデータベースがあります。RA 治験をご計画の際は、ぜひコーヴァンスをご検討ください。


参照

  1. http://www.who.int/chp/topics/rheumatic/en/
  2. http://www.rheumatology.org/Portals/0/Files/ACR%202015%20RA%20Guideline.pdf
  3. https://www.eular.org/recommendations_management.cfm

 

おすすめの記事…

人気の記事…