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コーヴァンスブログ - 医薬品開発におけるイノベーションの共有
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    • Immuno-Oncology 研究:デザイン、リクルート、実行のオプティマイゼーション


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      公開: 2017年11月15日 10:44 AM

      免疫療法の急速な広がりには目を見張るものがあります。clinicaltrials.gov によると、1,000 件を 紫色の DNA 鎖優に超える Immuno-Oncology (IO) 治験が現在進行中です。この画期的な可能性を秘めた治療に適格な患者様を見つけ、登録するのは難しい課題です。New York Times はこのほど、この問題を的確に表現したタイトルの記事「A Cancer Conundrum: Too Many Drug Trials, Too Few Patients(癌にまつわる困難な問題:多すぎる治験、少なすぎる患者)」を掲載しました。このパズルのもう一つのピースとなるのが治験のデザインです。これは特に、IO において併用療法を試す際に複雑になる場合があります。これらの問題をさらに深刻にしているのは、市場参入に向けた IO 治験の競争の激化です。開発にかかる時間を短縮し、同種の医薬品の中で、または特定の適応症について最初に承認を受けることに大きな価値があると考えられています。

      このブログ記事では、Immuno-Oncology 研究の現状、患者様リクルートの強化戦略、コンパニオン診断の役割、複雑な IO 併用研究に対応するソリューションを取り上げます。

      Immuno-Oncology における新しい「フェーズ I/II/III 」でスピーディな進行を実現

      オンコロジー医薬品開発における最も顕著な変化が、治験デザインにおいて起きています。最近の傾向として、治験依頼者はオンコロジーのフェーズ I 試験を独立してデザインするのではなく、フェーズ I/II 試験のデザインを合わせてデザインすることを求めるようになっています。安全な用量が特定されるとバイオマーカーが選択された拡大コホートが追加され、有効性と安全性が飛躍的に高まり、結果として医薬品の登録を支援することになります。この迅速なコホート拡大アプローチと画期的な治療法の指定、そして医薬品登録に向けたフェーズ II 治験に用いられる承認機会の加速化は、オンコロジーの新たな標準となりつつあります。

      治験でコンパニオン診断を使用することにより、効率と成果はさらに高まります。コホート選択と患者様の層別化のために適切な患者様を特定することにより、コンパニオン診断は可能な限り高い有効性をもたらし、医薬品開発のタイムラインのさらなる短縮に役立ちます。

      コンパニオン診断を活用した有効性の評価

      コンパニオン診断がどのように開発と承認のプロセスを促進するかという一例が、上皮成長因子受容体 (EGFR) の特異的阻害剤であるアストラゼネカの TAGRISSO®(オシメルチニブ)です1。フェーズ I では、薬物動態、薬理および有効性を評価するために行われる用量増加段階において、これまでにひとつの EGFR 治療を受けている患者様を無作為化しました。治験のこのフェーズにおいて、特定の EGFR 突然変異である T790M が陽性の腫瘍を持つ NSCLC の患者様に対する有効性が増加しました。

      この治験結果は、以前に標準的な第一選択療法が失敗した患者様に対するフェーズ II 試験において確認され、T790M 変異を示す患者様で継続的に最良の反応が見られました。

      コンパニオン診断を取り入れることにより T790M の患者様を特定し、オシメルチニブを標準治療やプラチナ製剤と比較しました。研究者は、オシメルチニブが無増悪生存期間を 4 か月から 8 か月に倍増させることを観察しました。その結果、FDA によるこの治療の承認が迅速に進められました。注目すべきは、最初の患者の治療からわずか 2 年半で行われた承認を進めるうえで、この治療の効果が高い患者様を特定したことが役に立ったという点です。

      患者様のリクルートにおける難題を解決

      患者様のリクルートは治験費用の 40% 近くを占め、全臨床開発期間の 20〜60% に相当するため、治験依頼者は患者様を探して登録するためのより効率的なソリューションを見つけたいと強く願っています。治験に参加する癌患者様はわずか 3% で、半数の施設で登録人数が不足(11% は患者様の登録が皆無)しているオンコロジー治験では特に深刻な問題です。

      コーヴァンスは、この問題を公的および独自の治験データを使用したデータ分析とバイオインフォマティクスの機能を活用する機会として認識し、Xcellerate® インフォマティクススイートにより IO 治験をサポートしています。たとえば、治験依頼者が非小細胞肺癌 (NSCLC) の治験を実施しようとした場合、Xcellerate 予測および施設選択ツールは NSCLC 発症に関する全世界のデータを評価することができます。

      地域や特定の国あるいは都市別のフィルタリングを行うことにより、チームはそのエリアにおける潜在的な患者数を特定し、治験責任医師のパフォーマンスとリクルートした患者様の割合を相互に参照することができます。リクルートの速さ、治験施設アクティベーション、コスト、複雑さを比較するための複数のシナリオをモデル化することにより、スポンサーは治験をサポートする最良の施設を選択し、患者様のリクルートを最適化して、業務のパフォーマンスを高めることができます。

      ツールとラボコープの診断データを組み合わせることにより、治験依頼者は PD-1/PD-L1 の状態などバイオマーカーの結果に基づく治験の機会と潜在的な患者集団を把握することができます。これらのデータにより、依頼者は高発現の患者様の治験が行われている場所が分かるだけでなく、分子の発現レベルのほか、プロトコルの選択 / 除外の基準を導き出し、よりスマートで効率的な治験デザインを促進する価値の高い情報を見ることができます。

      複雑な組み合わせ治験への取り組み

      最近の研究で、メラノーマ患者におけるイピリムマブと組み合わせたニボルマブなどの IO 治療の相加的効果を調べました。これらの研究の結果は有望ですが、最良の組み合わせを選ぶためには斬新で複雑な治験デザインが必要になりがちです。

      マーカーを特定するための初期腫瘍の評価、iRECIST ガイドラインに沿った進行中の腫瘍の評価、任意抽出のオプション、腫瘍サイズの変化に基づく継続的な治療、または併用治療を導入してそれを繰り返すなど、多くの分岐点に決定ポイントがあります。これらの研究の複雑さは急速に増大する可能性があります。

      コンパニオン診断は、これらの治験が直面したいくつかの課題に対処するうえで役立ちます。ニューイングランド医学ジャーナル (New England Journal of Medicine)2 において Bhatt と Mehta が発表したような、適応性のある 2 段階の集団強化型デザインがその一例です2。ここでは、患者様をサブグループに層別化した後に治療群か対照群に分けます。 中間分析において、どちらのグループにも反応がない場合には治験を中止し、両方のグループに反応がある場合は続行するか、反応しないサブグループを反応したグループに割当て変更して事象数を増やすことができます。このグループ化と再グループ化は、依頼者が競争相手のひしめく市場になるべく早くリーチできるよう支援するための重要な要素で、最終分析により迅速に到達するうえで役立ちます。

      Immuno-Oncology における組み合わせ治験の新しい一派の登場により、依頼者は様々な選択肢と意思決定点に直面しています。コンパニオン診断アッセイ、過去の治験責任医師 / 治験データと適切な治験戦略の活用が、より迅速な臨床開発と規制当局の承認を可能にし、最終的に患者様がより効果的で標的化されたオンコロジー治療を利用するうえで役に立つことを願っています。

      参照

      1 Pasi A. Jänne、M.D.、Ph.D. 他「 AZD9291 in EGFR Inhibitor-Resistant Non-Small-Cell Lung Cancer」 New England Journal of Medicine 2015;376:629-640

      2 Deepak L. Bhatt、M.D.、M.P.H.、Cyrus Mehta、Ph.D.「Adaptive Designs for Clinical Trials 」 New England Journal of Medicine 2016;375:65-74

    カテゴリ: 臨床開発, 臨床検査 タグ: , , , 投稿者: をブックマーク 固定リンク