ファイル
コーヴァンスブログ - 医薬品開発におけるイノベーションの共有
    公開
     
      • 「チャイルドヘルスデー」の意義:Gina Calarco のストーリー


        投稿者:
        公開: 51 日前

        ナショナル チャイルドヘルスデーをはじめ、私は日々、コーバンスで手がけている仕事と、それをもって子供たちの命や健康に影響をもたらせることに感謝しています。また、このイベントが、まだ残された仕事について情報を広める機会になると感じています。

        病院のベッドに横たわる子供

        医療の専門家でない人々に、小児科臨床治験の管理を担当していると話すと、最初はたいてい「薬の試験に子供を使うなんて信じられない。その医薬品が正しく効くかもわからないのに」という反応をされます。そこから会話は自然に、小児科研究での私の役割と、小児医療における治験の重要性を説明する流れになります。

        小児医療におけるタブー化された問題

        これまで、小児患者に処方された医薬品の 50% 近くは治験環境で正式に研究されていませんでした。つまり、子供たちの体がそれらの医薬品をどのように処理して、代謝し、反応しているのか把握されておらず、そのような医薬品のラベルには、小児患者の服用に関する情報が記載されていません。その場合、医師は「適応外投与」と呼ばれる方法を取らざるを得ません。これは、薬の服用方法や量を最善の推測によって決定するということです。

        子供の年齢が幼いほど、適用外投与を行う確率は高くなります。たとえば、 早産児の場合では、投与薬の 90% 近くが、早産児や新生児の集団に対して正式に試験されていません。適切な投与法、耐性、その他の安全性パラメータが明確になっていないため、最もか弱い患者らほど、過去の使用例や、その集団内でのみ行われた不確実な研究に基づいて医薬品を投与されることになりがちです (1)。

        小さな体には、より少ない量を投与するものと思われるかもしれません。しかし、子供の体は小さな大人と同じというわけではないのです。たとえば、乳児の代謝は大人とは大きく異なり、必要な栄養素も違うことが分かっています。あるいは、思春期にある未成年は、成長やホルモン分泌、代謝が不規則になっている可能性もあります。それらの変動的要素は非常に重要で、医薬品が体内でどのように処理され、活用されるかに影響を及ぼし得るものです。

        一連の小児集団を対象に正式に医薬品試験を行わない限り、我々は子供たちを、有害事象はもとより、症状 / 疾患の治療や解消、予防において効果や効率性の少ない次善的な投与リスクにさらし続けるのです。

        子供たちの健康に対する治験の役割を理解する

        1990 年代に米国とヨーロッパの規制当局は規制の開発に着手し、今ではそれが恒久的なものになりました。その規制では、すべての新薬に対して小児治験が義務付けられ、対象の疾病は小児集団も罹患するものであると警告する大人向けのラベル表示と承認を求めています。

        この規制は小児医療に大きな影響をもたらしました。2007年から2016年にかけては約 300 件の小児治験が行われ、小児への投与情報の記載を加えるラベル変更が 107 件生じました (2)。

        治験から得た知識は、投与法の安全性と効果の判定にとどまらず、小児医療のもうひとつの側面にも大きな影響を与えています。臨床研究で、患者様と家族の直接の意見を集めて、医療品質の測定のひとつである効果測定を行うようになったため、治療においてその声が反映されるようになりました。その新たな情報は、病気になった時に子供たちとその家族にとって重要なものは何か臨床医がよりよく理解するうえで役立ち、回復へのプロセスの向上に重要な見識を提供してくれます。

        小児の健康改善に向けて我々が忘れてはならないこと

        ナショナル チャイルドヘルスデーは、子供たちの健康維持のために、保護者と医療機関が取るべき基礎的治療と予防策について認識を新たにする機会であると同時に、医療コミュニティが「我々の仕事はまだ終わっていない」と再認識する絶好の日だと思います。子供たちをいかにケアし、彼らの体が疾病と治療にどう反応するのか、学ぶべきことは数多くあります。

        小児治験なくしては、我々にとって最も大切で、最もか弱い層を多大な危険にさらしてしまうのです。今日の臨床研究試験は細部まで考慮され、複雑な規制のもと、医療と医薬の分野の増大し続ける知識体系に貴重な情報をもたらしています。だからこそ、研究のプロセスには子供たちとその家族の協力が不可欠なのです。我々は一丸となって、患者様の視点の価値を認識し、小児層の健康や命に治療がもたらす影響を理解していくべきでしょう。

        1. Milne CP, Davis J (2014). The Pediatric Studies Initiative:  After 15 Years Have We Reached the Limits of the Law? Clinical Therapeutics. Vol 26 (2).
        2. Avant D、他。J Pediatr.  2017年10月10日、http://dx.doi.org/10.1016/j.jpeds.2017.08.048

      カテゴリ: 臨床検査 タグ: by をブックマーク 固定リンク