包括的な薬物弁別試験のデザイン

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規制当局は、脳まで浸透して CNS 活性を持つ薬物(親薬物または主要代謝物)について、その治療指標にかかわらず依存性評価を義務付けています。この依存性評価を取り上げたシリーズでは、規制当局が求める非臨床 GLP 依存性試験のタイプ(自己投与 / 薬物弁別 / 身体的依存)をどのようにして正確かつ有効にデザインし立ち上げることができるのか、その方法をご紹介します。

以下は記事全文を要約したもので(全文はダウンロード可)、コーヴァンスの社内データサンプルを用いた薬物弁別試験のデザインについて説明しています。

薬物弁別試験について

錠剤の画像

薬物弁別試験では、ある薬物を他の薬物と照らし合わせて内受容性刺激(感覚)の誘発性を調べます。一般的に、薬理学的性質が同じクラスに属する薬物は同等の内受容刺激作用を持ち、薬物弁別試験において互いに代用できるとされています。

新しい薬物の依存性評価を行う際は、被験薬がすでに依存性で知られている他の薬剤と同じ弁別特性を持っているかどうか見極めることが大切です。医薬品開発の後期段階でヒトの依存性 (HAP) 試験が求められている場合は、選別された娯楽用薬物使用者集団におけるその薬物クラスの作用を調べる必要がありますが、その際に薬物弁別試験で得た情報を利用できます。

代表的な薬物弁別試験デザイン

薬物依存性試験は GLP に準拠して実施しなければなりません。

試験フェーズ

薬物弁別試験にはそれぞれ次のようなフェーズがあります:​​​​​​​

  • レバー押しフェーズ - ラットが報酬(ショ糖ペレットなど)を求めてレバーを押すよう訓練します。
  • 2 日交互弁別フェーズ - ラットが弁別刺激に対して「薬物レバー」と「非薬物レバー」を使い分けて反応できるよう訓練します。​​​​​​​ 進め方としては、訓練薬を 2 日間連続で投与した後に非薬物を 2 日間連続で投与するといった形になります。
  • 1 日交互弁別フェーズ - 前のフェーズと似ていますが、訓練薬と非薬物(生理食塩水など)を 1 日単位で交互に投与するため、弁別がより難しくなります。
  • 試験前フェーズ(訓練の最終段階)- ラットが試験条件下で訓練薬と非薬物(生理食塩水など)を投与されたときに所定の反応ができるか確認します。
  • 初回試験セッション - このセッションで訓練薬の用量反応曲線が得られます。
  • 最終試験セッション  - このセッションで試験薬の用量反応曲線が得られます。​​​​​​​​​​​​​​

試練薬の選択

訓練薬はできるだけ試験薬と薬理学的性質が同じクラスのものを選び、規制物質法に従って決定します。​​​​​​​

試験薬が新規作用機序を持つ場合、訓練薬には同様の治療指標または行動的特徴を持つものを利用できます。複数の訓練薬が必要になったり、被験物質そのものが訓練薬として使用されるケースもあります。

データの分析

以下のパラメータを調べます:

薬物レバーを押した割合(パーセント)。
数値によって次のように判断します。

  • 80% 以上 = 全面的に汎化
  • 20% 〜 80% = 部分的に汎化
  • 20% 未満 = 媒体に対して適切に反応

FDA のガイダンスには「訓練薬(既知の依存性薬物)で全面的な汎化または部分的汎化が見られた場合、試験薬に依存性がある可能性がある」と記載されています。

レバー押しの反応率

レバー押しの反応率と合わせて、レバーが正しく押せていたかについても確認しなければなりません。レバー押しの能力が著しく欠けていれば、試験結果の信頼性が損なわれることになります。この記事のデータセットは、そのことが分かるようになっています。

初回報酬提供時の選択レバー

初回報酬提供時にラットがどのレバーを選択したかで、弁別刺激に対する初回反応を知ることができます。​​​​​​​

一般的なタイムライン

通常、薬物弁別試験のインライフフェーズを完了するまでには 22 週間かかります。​​​​​​​

薬物弁別試験のインライフフェーズのスケジュール画像

興奮誘発剤、オピオイド、鎮静剤、幻覚剤、カンナビノイド

記事の最後の部分では社内データの解釈を行い、興奮誘発剤(アンフェタミン、コカイン)、オピオイド(モルヒネ、ブプレノルフィン、メタドン)、ベンゾジアゼピン系薬剤 / 鎮静剤フェノバルビタール、ペントバルビタール、ミダゾラム)、幻覚剤(ケタミン、PCP)カンナビノイドに触れています。

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