5 different kinds of cytokine release assays: weathering the storm | CRA Post II

前回の投稿では、サイトカイン放出症候群(CRS : Cytokine Release Syndrome)の危険性のほか、患者様の免疫系と相互に作用するモノクローナル抗体(mAbs)を開発する際の前臨床サイトカイン放出アッセイ(CRA)の重要性について説明しました。第 2 回目の投稿では、使用されているさまざまな種類のアッセイと、それらがお客様の医薬品開発プログラムにどのように適合するのかについて説明します。他のタイプの CRA、末梢血単核細胞(PBMC : Peripheral Blood Mononuclear Cell)、血液増殖内皮細胞(BOEC:Blood Outgrowth Endothelial Cell)、共培養については、次回のブログ記事で詳しく説明します。

最も適切な CRA を選ぶには、以下のことを考慮する必要があります。

  • 化合物には、内皮細胞上の新生児 Fc ガンマ受容体と結合可能な Fc 領域はありますか?
  • 化合物は複数の標的に結合しますか?
  • 標的の発現は健常者ですか?
  • サイトカインストーム中にすべてのサイトカインがアップレギュレートされるわけではないことを考慮して、どのサイトカインを測定する必要がありますか?

全血アッセイ

全血アッセイは、最も広く使用されている CRA のひとつです。主な利点に、In vivo の状態を厳密に複製する点があります。アッセイ方式は免疫細胞サブセットの頻度、FcγR 細胞分布、生理的濃度での発現レベルを再現し、FcγR 遺伝子型と mAb 治療に応じたサイトカイン放出の程度の関係性を明らかにします。

全血 CRA は、FcγRI を介したサイトカイン放出を刺激するアレムツズマブ(抗 CD52 抗体)の PBMC 固相 CRA(以下を参照)よりも感度が非常に高くなります。しかし、全血 CRA は、ムロモナブ CD3 および TGN1412(抗 CD28 スーパーアゴニスト) サイトカイン放出に対しては感度は高くありません。他の研究では、toll 様受容体に結合するオリゴヌクレオチドによるサイトカイン放出の検出には、PBMC よりも全血アッセイ方式の方が望ましいと結論付けています。

ヒト PBMC

PBMC は、リンパ球(T 細胞、B 細胞、NK 細胞)と単球の純粋単離で構成されています。全血から抽出されるため、アッセイは全血 CRA と比べると生理学的な関連性は低くなりますが、サイトカインシグナルを明らかにする際により感度が高い可能性があります。

組織培養プレート上に有核された mAb と PBMC の共培養が行われる固相 CRA では、TGN1412 のサイトカイン放出能を予測することが示されました。液相では、PBMC アッセイは標的の架橋結合や FC 結合を生成しません。代替の固相評価には、乾式コーティングで提示されるよりも低い密度による、組織培養ウェルプラスチックへの mAb の湿式コーティングなどがあります。上記はすべて、生理学的な mAb 提示を再現するために使用されますが、偽陽性率と高いアッセイバックグラウンドという残念な欠点がある In vivo 提示とは大きく異なります。乾式および湿式コーティングによる提示は、全血アッセイにも適用されます。   

高密度 CRA

Romer らによって2011年に初めて説明されたとおり、高密度による PBMC 細胞の前培養により、治療 T 細胞の活性化を検出するアッセイの感度が向上します。高密度 PMBC は、通常の低密度 PBMC アッセイと比較すると、リンパ節などの細胞に類似した反応を示します。このアッセイは、標的の架橋結合や FC 結合を引き起こしません。通常の PBMC アッセイとは異なりますが、このアッセイシステムは、細胞が「初回抗原刺激を受けた」リンパ節のような状態になるため、可溶性 / 液相で TGN1412 に対する陽性反応を検出するために使用できます。  

ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC:Human Umbilical Vein Endothelial Cell )PBMC 共培養

このアッセイは、標的の架橋結合と FC 結合を生成します。内皮細胞は、臍静脈から定期的に成長し、サイトカイン放出試験の PBMC とのインターフェースとして使用されます。これらのアッセイは細胞の異種混合により形成されているため、あるドナーの細胞と別のドナーの細胞が混在するなど組織のミスマッチが発生する可能性がありあす。そして、このことが HUVEC/PBMC 共培養アッセイのいくつかの制限の原因となる可能性があります。

血液増殖内皮細胞(BOEC:Blood Outgrowth Endothelial cell)PBMC 共培養

この自己アッセイは、標的の架橋結合と FC 結合を生成します。  2015年に Mitchelle らによってはじめて説明されたこのアッセイ方式は、わずかな違いはありますが HUVEC アッセイと概念上は類似しています。BOEC は、同じドナーから収集した PBMC から成長した内皮細胞です。このアッセイは完全自己移植であるため、組織のミスマッチ問題がなく、アッセイの感度が向上します。現在にいたるまで、このアッセイシステムは、In vivo 血管微小環境を再現する In vitro システムを最も反映しています。他の方式と比較した場合のこのアッセイシステムの主な利点は、投与される場合と同様に、生物学的治療薬がより生理学的に関連性のある方法で提示されることです。このアッセイは特許取得済みのアッセイシステムであり、現在コーヴァンスはこのアッセイを商業的に提供する唯一の CRO です。

代表的な試験デザイン

生成されるサイトカインの絶対レベルは、使用する CRA アッセイによって異なるため、本当の意味で陽性の結果を特定することは困難です。したがって、サイトカイン放出試験には、関連する陽性および陰性の対照を含める必要があります。対照モノクローナル抗体の選択は、T 細胞を標的とする製品向けのムロモナブ CD3 または TGN1412 、細胞傷害性エフェクター機能を備えた製品向けのアレムツズマブおよび / またはリツキシマブ、マイトジェン陽性対照向けの植物性血球凝集素など、評価する製品の作用機序によって異なります。

また、研究では複数のドナー(最低でも 10 名を推奨)から得られた血液製剤を使用して、サンプルの自然な生理学的混合を可能にする必要があります。健康なドナーのサンプルに標的が存在しない場合、患者様から得たサンプルと健康なドナーからのサンプルを併用したハイブリッド研究の実施を推奨します。化合物の投与量候補については、標的受容体の占有率に基づいて選択する必要があり、少なくとも高用量、中用量、低用量を検討するべきです。   

現在のアッセイ方式における課題

すべての CRA プラットフォームが軽度または中程度のサイトカイン放出を誘導する mAb を区別できるわけではありません。また、それらを使用して、放出されたサイトカインのレベルとヒトへの重大な有害事象の間に関連性を見出す閾値を判定することもできません。CRA はサイトカインの放出をまだ完全に予測するものではなく、その正確さは評価する抗体の種類によって異なります。このため、今後も研究者はより優れた CRA 方式を模索することになります。

お客様が非臨床を進めていくにあたりコーヴァンスがどのようにお役に立てるのか、詳細をご覧ください。

当シリーズの最初の記事をご覧になっていない場合は、 こちらから In vitro サイトカイン放出アッセイに関する紹介記事をお読みください。

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