ECHA 決定通知書 - 今後の備え

前回の REACH 登録の期限は2018年5月でした。この期限と同時に、EU / EEA で市販された化学製品の安全性に関する積極的な情報収集も終わりました。こうして集められた幅広い物質の安全情報を網羅した巨大なデータベースが誕生し、科学と規制に対する意識の高まりを感じさせる新たな段階を迎えました。そして、必要なデータが揃ったところで、決定通知書が発行されました。

書類評価における当社の進捗状況は?

REACH の登録提出期限が過ぎ、欧州化学機関 (ECHA) は書類の評価に専念しています。書類の評価には、コンプライアンスチェックと試験提案の評価が含まれ、ECHA に対しこれらのいずれかの詳細情報を求めることができます。2017年の ECHA 進捗報告によると、毎年実施される 300~350件のフォローアップ評価のうち、およそ 55% がコンプライアンスチェックで、45% が試験提案の決定となっています。

2017年に実施されたコンプライアンスチェックのうち、83% は、CMR(発癌性、変異原性、または生殖毒性物質として分類される物質)などの潜在的な懸念のある物質に関するものでした。コンプライアンスチェックの決定ごとに、平均して 5 件の情報が要求されています。2017年の試験提案については、 合計 197件の書類のうち、58件が採用されました。

実施されたコンプライアンスチェックの 83% は、潜在的な懸念のある物質に関するものでした。

以下の表は、両方の一般的なエンドポイントギャップを示したものです。

また、2012年から2017年の間に、欧州共同体ローリング行動計画 (CoRAP) に含まれる活性物質の72% の疑わしい懸念を明確にするために、さらなる情報が必要とされたことも注目に値します。

決定通知書に期待すべきこと

ECHA は、コンプライアンスチェックと試験提案のフォローアップ評価の両方に対し、決定通知書を発行します。コンプライアンスチェックに関し、決定通知書はデータギャップに注意を促し、書類を「完成」させるために必要な研究を明確にします。これは、単に項目にチェックを入れるだけものではありません。REACH が作成した変化する科学的環境や規制環境を反映するより高度な試験の需要が高まるとともに、実質的な監視が求められます。

試験提案に関しては、最初の決定通知書のドラフトに新たな研究または修正研究が一覧表示され、ECHA の決定に対する科学的および規制上の根拠が詳しく記載されています。登録者は、一定の期間内に回答するよう求められます。加盟国の管轄当局に返送された登録者からの回答は審査され、別の加盟国からはフィードバックが求められます。最終的に、拘束力のある決定通知書が発行され、登録者はこれに基づいた行動を起こす必要があります。

EHA の評価プロセスについてはこちらをご覧ください。

共通のテーマは、ECHA の要件に従い変化していきます

規制とサイエンスの統合が強化される新たな時代に突入したことは明らかです。これまでの決定通知書は、2010年から 2013年の REACH 締め切りまでに提出された書類に関するものでしたが、それ以来、さまざまな科学的アプローチに大きな進展がありました。これは、決定通知書に記載されたいくつかの重要な項目において明らかにされています。

  • 免除の拒否:類似の物質または類似の物理化学的特性を有する物質に関する既存のデータにもとづいた類推法が疑問視されています。
  • 曝露関連リスクに対するさらなる考慮:データベースが拡大するにしたがって、各化学物質の新たな用途が特定され、トン数/量の増加により新たな曝露のシナリオとリスク評価が求められる可能性があります。これは、分類とラベリングにも関係が及びます。
  • 定量的構造活性相関 (QSAR) モデルの精査:生成されるデータと科学的知識の増加に伴い、過去10年間で QSAR モデルの精巧さが大幅に改善されました。限られた QSAR を使用する初期の書類は、科学的にも、技術的にももはや十分に強固とは認識されないこともあります。

こうした問題に対処するため、ECHA の統合規制対策は、優先物質の類推グループ化法の使用を強化する試験的な行いを開始しました。

結論

REACH の評価プロセスは、化学薬品の安全性と用途に関するデータセットが拡大するに従い、進化しています。そのため、決定通知書をお受け取りになりましたら、創造的にアイデアを巡らせ、科学および規制に対する考えを革新的な方法で取り入れられるようにしておいてください。

コーヴァンスの化学薬品関連サービスの詳細は、 こちらをクリックしてご覧ください。

おすすめの記事…

人気の記事…