新しいアプローチ / 持続可能なイノベーション

化学試験

革新を続ける化学分野では、一定の間隔で安全性に関する新たな懸念が浮上し、やがてそれが規制の優先課題となります。また、消費者の間ではより環境に配慮した製品の需要が高まっており、化学物質は安全で持続可能なものであることが求められます。こうした要因により、化学物質の開発、使用、試験法、そして規制科学のイノベーションは加速の一途をたどっています。

化学事業を発展させるためには、革新的技術の規制に対して常に先手を打つことが重要です。規制環境の変化を予測し、それに対する確かな戦略計画を立てる必要があります。

グラフェン分子の 3D イメージ。ナノテクノロジーの背景画像。
  • 規制科学者 - 規制が変更された場合に生じる影響を理解し、専門分野で積極的なソートリーダーシップを発揮します。 
  • 規制に関する最新の見識や、最先端の規制科学へのアクセス - 将来を見据えた化学物質の開発を支援します。 

 

化学物質の規制に影響を与える新たな優先課題

EU のマイクロプラスチック規制

ECHA は、マイクロプラスチックが動物や人の健康に及ぼす潜在的な影響への懸念から、EEA 域内で使用される製品にマイクロプラスチックを意図的に添加することを制限する提案を提出しました。マイクロプラスチックとは、一般的に大きさが 5mm 以下の微小な固体ポリマー粒子の総称で、幅広い業界の多くの製品に使用されています。問題となるのは、意図的に使用されたマイクロプラスチックの約 70% が環境に放出される点で、安定性が高く、微小であるために、その潜在的なリスクが懸念されています。このため ECHA は、マイクロプラスチックを PBT/vPvB(難分解性、生体蓄積性、毒性 / 極めて高い難分解性、高い生体蓄積性)を有する物質と同様に扱うことを推奨しています。この制限提案は、REACH 附属書 XV の第 1 部に基づいています: 

「規則(EC)No 1907/2006 第 3(5) 条の意義の範囲内において、[発効日(EiF)] 以降、単一物質として、あるいは [0.01]%(w/w)以上の濃度を含むマイクロプラスチックとしてのポリマーの上市を禁止する。」

ただし、その遵守が難しいセクターもあるため、代替品を用意するための移行期間と軽減措置が設けられています。ECHA によるマイクロプラスチック規制は 2022年に施行される見込みです。その対策として、業界各社は今から計画の策定を開始すべきでしょう。

マイクロプラスチックの安全性評価において最も難しいのが、生分解性の評価です。ECHA は、標準的な生分解性試験方法を用いた段階的な試験の実施を推奨していますが、高次の試験には内容を変更しなければ実施が難しいものが多く含まれています。 

このためコーヴァンスは、マイクロプラスチックの生分解性を効果的かつ確実に評価する試験デザインの最適化に注力しています。環境行動や製品に含まれるマイクロプラスチックの動態を完全に特性化する、科学的に質の高い登録書類を作成できるようにすることで、引き続きお客様にサポートを提供してまいります。 

 

 

ナノマテリアル

ナノマテリアルはこれまでしばらくの間、世界の多くの規制当局にとって規制上の懸案事項でした。2020年1月1日、ナノマテリアルの REACH 要件を改定した附属書が施行されました。この規制は、現在登録されている物質と、これから新たに登録される物質が対象となります。重要な点として、ナノマテリアルとして開発された物質だけでなく、非意図的にナノマテリアルを含有する物質もその対象に含まれることに注意してください。改定後の規定では、ナノフォームの特性評価(附属書 VI)、化学物質安全性評価(附属書 I)、登録情報要件(附属書 III、VII-XI)、川下使用者の義務(附属書 XII)についての要件が定められています。

ナノフォームを効果的に特定し、特性評価を行うには、粒子サイズの分布や粒子の形状、表面化学の評価が必要となります。多くの登録者にとって、最大の課題はナノフォームの特性評価でしょう。現時点では、すべての化学物質に対応する一つの推奨アプローチというものは存在しません。このため、それぞれの化学物質に適したアプローチを選ぶ上で、化学の専門知識が必要不可欠です。新しい規定では、規制評価のプロセスを簡素化するため、類似するナノフォームをまとめてカテゴリー化するよう定められています。QSAR やリードアクロス法の使用は重要なカテゴリーであり、ハザードとリスクの評価を構成する要素としても欠かせないものです。 

コーヴァンスは、ナノフォームの特性評価をより強力にサポートするため、物理化学サービスの強化を図っています。分析化学者、QSAR モデルの作成者、規制科学者がそれぞれの専門知識と見識を活かし、連携して業務を行うことで、化学物質の新規登録をスムーズに進められるよう支援します。

EU REACH のナノフォーム規制とその影響について詳しくは、こちらの eブックをご覧ください。